前回の記事でお話ししたとおり、矯正治療を始める前に親知らずを抜くことになりました。
私の場合、右側の上下に親知らずが残っており、矯正で歯を動かすスペースを確保するため、先に抜歯が必要とのこと。
矯正歯科で紹介状を書いてもらい、自宅から通いやすい歯科口腔外科を受診しました。
予約を取った時点では、「どうせなら一度に2本抜いてもらおう」と楽観していました。
しかし、当日に撮影したレントゲン画像を見ながら先生は、
「うーん……」
「うーん……」
と何度も唸っています。
その様子を見ているうちに、こちらもだんだん不安に。
「そんなに悩むくらい難しい親知らずなの?」
と思ったところで、
「今日は1本だけにしましょう」
とのお言葉。
どうやら私の親知らずは、思っていた以上に手強い相手だったようです。
顎が外れるかと思った親知らず抜歯

結構……かなーり難しいですが、がんばりましょう!

は、はい。お願いします
ちなみに私はあごが小さめで歯が大きく、それが歯並びが悪くなる原因のひとつだと説明を受けていました。
そのため検査の段階から器具が奥まで入りにくく、無理に入れようとすると唇が切れてしまうことも。
それだけでも大変なのですが、今回抜く親知らずは斜めに生えているとのこと。
どうやら簡単には抜けそうにありません。
先生はレントゲンを確認しながら、さまざまな方法を考えつつ施術を進めてくれました。
親知らずを砕いて抜歯するために、器具で押されたり叩かれたり……。
しっかり局所麻酔が効いていたので痛みはありませんでしたが、ぎゅうぎゅう押されるたびに顔が曲がりそうです。
必死で耐えながら、
「歯より先に、あごの関節が外れるんじゃない?」
と本気で心配していました。
助手の方に反対側の顔を支えてもらいながら、さらにぎゅうううっと力が加わります。
そして――
「パキーン!」
歯にヒビが入る音がしました。
骨伝導というのでしょうか。
耳で聞くというより、頭の中に直接響くような感覚です。
しかも驚くほど澄んだキレイな音(笑)。
無事に親知らずが抜けたときは、本当にホッとしました。
ちなみに下の親知らずは隣の歯に密着しており、その部分が虫歯になっていたそうです。
歯ぐきの腫れが落ち着いたら、後日そちらの治療をすることになりました。
麻酔が切れてからが本当の戦いだった
抜歯が終わった直後は麻酔が効いているため、思っていたよりも平気でした。
先生からは、
「痛み止めは我慢せず、早めに飲んでくださいね」
と言われていました。
普段は多少の痛みなら我慢してしまう私ですが、この時ばかりは素直に指示に従い、帰宅後すぐに薬を飲みました。
しかし、麻酔が切れ始めると状況は一変。
処置した部分がズッキン、ズッキンと脈打つように痛み始めました。
さらに顔は、まるで誰かに殴られた後のように腫れあがっています。
血もじわじわとにじみ続け、当日は痛みもあって何も食べることができませんでした。
翌日になると出血は落ち着いてきたものの、今度は薬が切れるタイミングがはっきりわかります。
「あ、薬が切れてきた……」
そう思った直後から痛みが強くなってくるのです。
さらに困ったのが、口がほとんど開かないこと。
食べ物を口に入れるのも一苦労で、少しだけ口をこじ開け、小さく切った食べ物をゆっくり咀嚼して飲み込むのが精一杯でした。
もちろん、まともに話すこともできません。
抜歯前は「2日も休みを取らなくても大丈夫かな」と思っていましたが、実際に経験してみると、仕事を休んでおいて本当に良かったと思いました。
親知らず抜歯の本当の試練は、抜いている最中ではなく、麻酔が切れてから始まるのだと実感した出来事でした。
「入院して抜歯しますか?」と言われた2本目
1本目の親知らずを抜いた後、翌週に抜糸、その翌週に2本目の親知らずを抜くことになりました。
予約の際、先生から突然こんな提案が。
「入院して抜歯しませんか?」
え? 入院?
親知らずの抜歯で?
思わず聞き返してしまいました。
先生によると、右上の親知らずはほぼ真横に生えており、根も深い状態。
さらに神経や鼻腔にも近いため、全身麻酔をかけて入院のうえ抜歯した方が安全とのことでした。
とはいえ、仕事を何日も休むのは難しい状況。
悩んだ末に、入院はせず外来での抜歯をお願いすることにしました。
すると先生は、
「すごく大変ですが、頑張りましょう!」
と力強く言ってくれました。

覚悟しておいてください。でも、がんばりましょう!

よろしくおねがいします
今回もしっかり局所麻酔が効いていたため、施術中の痛みはありません。
しかし、
器具が入りにくい。
歯が割れない。
なかなか抜けない。
予想どおり難航している様子です。
途中から補助してくれる助手さんも2人、3人と増えていきました。
唾液がたまるとすぐに吸引してくれたり、ひざ掛けを掛け直してくれたり。
慌ただしい中でも見事な連携プレーです。
そんな皆さんの頑張りのおかげで、約1時間30分かけてようやく抜歯が完了しました。
一般的な親知らず抜歯はもっと短時間で終わることが多いそうなので、
私の上の親知らずは予想以上の難敵でした。
ふと先生を見ると、腕がガクガクと震えています。
あれだけ力を入れ続けていたのですから無理もありません。
すごくがんばりましたね、と褒めてくださいましたが、私はじっとしてただけ。
この日のMVPは間違いなく先生だったと思います。
親知らず抜歯を終えて思ったこと
親知らずは、問題なく生えていて日常生活に支障がなければ、必ずしも抜く必要はないと聞いていました。
しかし私の場合は、親知らずが斜めや横向きに生えており、さらに隣の歯に密着していたため、その部分が虫歯になっていました。
大人になると、歯が痛くならない限り歯医者さんへ行く機会は少なくなりがちです。(定期健診を受けている方は別ですが。)
私も特に自覚症状はありませんでしたが、矯正の検査をきっかけに問題が見つかりました。
抜歯後、先生からは
「抜いてよかったですね」
と言われました。
その後は隣の歯の虫歯治療も行い、結果的には矯正だけでなく、お口の中の状態を見直す良い機会になったと思います。
抜歯は本当に大変でしたが、今振り返ると頑張って乗り越えてよかったです。


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